マグレガーのX理論とY理論。
どちらの前提に立ち、マネジメントするかは難しいところだが、
比較的性悪説の慣性が働きやすいように思うので、
少し性善説よりのY理論側でマネジメントする方が
少なくとも今の自分にとってはよさそうである。
■マグレガーの理論
マグレガーは、1960年に発表した『企業の人間的側面』(The Human Side of Enterprise)という書物で一躍有名となり、その後の経営学やマネジメント 思想のトレンドを変えた、経営学の巨人です。ただ、有名な書物の割には、 「X理論・ Y理論」のとらえ方については誤読も多いので、マグレガー理論の 正確な理解のために、ここで簡単におさらいをしてみましょう。
■人間性悪説:X理論
マグレガーは、人がなぜ働くのかに関して、対照的なX理論、Y理論を発見し、X理論には次の3つの前提があるとしています。
1.普通の人は生来仕事が嫌いで,できることなら仕事はしたくない
2.たいていの人は、脅されない限り、目標達成のため働かない
3.普通の人は命令される方が好きで、責任回避し、安全を望む
この前提の背後には、人間を”怠け者”と捉える性悪説的な考え方があります。
■人間性善説:Y理論
X理論とは対照的に、”性善説”を前提とする考え方ををY理論と名付けています。
1.仕事で心身を使うのは当たり前のことである
2.人は,進んで身を委ねた目標のためには自らにムチ打って働くものである
3.目標達成は報酬次第、特に自我欲求と自己実現欲求が重要である
4.適切な条件さえあれば自ら進んで責任を引き受けようとするものである
5.企業内の諸問題解決に高度な想像力や創意工夫を発揮するものである
6.現代企業(1960年頃)では、従業員の知的能力は一部しか活かされていない